黄教授、韓国国内では国民的英雄、諸外国では疑惑の総合商社

ヒト幹細胞研究を行っていた黄教授は、不明確な卵子の入手経路などによる生命倫理上の問題により大きく騒がれていた。これに加えてデータ捏造疑惑が持ち上がり、サイエンス誌をも火の手に巻き込み、韓国世論だけでなく国際世論にまで波紋を広げている。

黄教授はクローン研究の分野において世界的に認められていた学者だった。だが昨年の5月、ネイチャーの告発により不明確な卵子の入手経路の問題が取り上げられる。この問題は一時的に収束したものの、つい先月になって共同研究者シャッテン教授の手により再び再燃してしまった。

そして今月6日、米ニューヨーク・タイムズ紙にて、サイエンス誌に発表した論文に事実と異なる画像が含まれているとして告発されることになる。これにより黄教授の研究を高く評価してしまったサイエンス誌の編集長にまで疑問の目が向けられることになった。加えて疑惑の反論として、写真を間違えたのはシャッテン教授と主張したため、疑惑は混沌を深めている。

黄教授は韓国では「ノーベル賞受賞の可能性が最も高い韓国人科学者」として国民的英雄に祭り上げていた。韓国世論は一連の疑惑に対しても、批判的な報道には抗議行動が起こされ、黄教授の研究復帰を望む1000人を越える卵子寄贈者が集まるなど、異常な擁護世論が形成されている。だがこのような韓国の擁護世論の熱狂に対し、海外は白い眼を向け始めているようだ。

この騒動に対し『幻影随想』の黒影氏は、「この疑惑でファン教授のノーベル賞受賞は残念ながら大きく遠ざかった」と述べ、「(韓国市民が)再び科学コンプレックスの底に沈むのではないか」と心配を寄せている。また「我等日本の科学者としては、隣国のこの騒ぎを他山の石とするよう肝に銘じるべきだ」と訴えかけている。