最高裁が反戦落書きを有罪判決、一部の市民が反発

公園のトイレに「戦争反対」などと落書きしたとして、建造物損壊の罪に問われていた木下正樹被告に対し、最高裁は上告を棄却した。この判決に対し一部の市民が反発している。

弁護側は、「落書きがあったからトイレを使用できないと思う人はおらず、建物の機能を損なっていないから、建造物損壊罪は成立しない」と主張していたが、木下被告の裁判での意見陳述によると「確かに私が行った落書きによって不快な思いをする人はいるでしょう」と自らの建造物損壊について認めている。

木下被告はジャーナリストの斎藤貴男氏との対談にて「裁判長にあくまで平和的な態度で質問した」「警備員にケリを入れられたり、柔道技で投げつけられるなどして、強制的に退廷させられました」と述べているが、毎日新聞では木下被告は「証言台のマイクの一部を裁判官に向かって投げ付け、退廷を命じられた。職員に取り押さえられるとスプレーをまいた」と報道されている。また木下被告は、地域住民による自主的な見回りなどの活動を権力への迎合とし、『「落書き」をすることは、正しい。』『「落書き」を否定する者の秩序を、私達の秩序で破壊してやろう。』といったアナーキズムで過激な主張を繰り広げている。

憲法学を教える亜細亜大学助教授 石埼学氏は木下被告の「いい暮らしをしているあなた方は、何で俺を裁くのか」という裕福の差で差別化しろというような主張を支持している。自身も「その不満を、公衆トイレに書きなぐる!何が悪い!」「みんなの施設にたかが落書きしただけだ」と主張を行っている。落書きを批判する者に対しては「少しだけ自由に生きようと思っている木下被告に嫉妬しているだけじゃあないのか」と反論している。

だが、時には犯罪者が出ることもあるほど自由な言論が行われている2ちゃんねる市民の間では、落書きは建造物損壊罪という意見が圧倒している。加えて「弁護士の家を落書きしても建造物損壊罪にはならないのか」といった疑問も多く寄せられている。