法律家によるロースクール制度に関する論争が過熱

中山教授が自身のブログに投稿したエントリ『法科大学院出でて研究会亡ぶ』を、ボツネタが取り上げたことをきっかけに、法律家ブロガー市民によるロースクール論争が巻き起こっている。

中山教授は「戸籍時報」580号に掲載された、早稲田大学院法務研究科教授の米倉明氏の「法科大学院雑記帳(その1)」を取り上げて、「研究の時間がない。研究の時間が与えられない」「わが国の法学研究全体に深刻な危機をもたらすおそれがあります」と主張した。

これに関して黒猫氏は、「大学が本来自分の持っている能力を超えて,わざわざ法律を改正させてまで法曹教育の分野にしゃしゃり出てきたことの当然の報い」『実務と無関係に哲学的な論理を振り回している「法律学」なんか,滅んだって誰も困らない』とコメント。またアメリカ留学経験者から『日本のロースクールは立ち上げてばかりの苦労はあると思いますが、今まで「ぬるま湯にひたっていた」学者に同情の余地はないと思います』との声が寄せられている。

落合弁護士は『ロースクールの教員が、学生に「構い過ぎて」いるのではないか』「構い過ぎれば、必然的に自分自身の研究に充てられる時間は作れなくなる」「かえって、学生の貴重な自習時間を奪い、勉強に支障を来すことにもなりかねません」とコメントしている。

また落合氏のブログのコメント欄でも『ロースクール制度は明らかに失敗だし、ロー出身者の実力の低さは既に明らかで「准弁護士」と呼ばれるらしいのだから、制度の失敗を認めて元に戻すべし』「ロー生の試験結果を勘案して再調整すればいい」と様々な意見が寄せられている。

追記

この論争に、さらに町村教授、増田弁護士、pocket6氏が言及。町村氏は「ロースクールを設立して引き受けた以上、それが仕事だと観念してしっかりやる以外に選択肢はない」、増田氏は「もともと司法研修所という法曹養成機関があり、実務家法曹の質を維持する上で、相応の役割を果たしてきたのですから、その役割をわざわざ大学に任せる必要などなかった」、pocket6氏は「先生方が望んでいた理想の教育を具現化するためには仕方がないのではないでしょうか」と主張している。